「飲食」は生き物にとって生きるために必要不可欠な行為です。
わたしたちが何かを食べたり飲んだりするとき、お口のなかの環境が変化します。
今回は、飲食とお口の中のpH(ピーエイチ,ペーハー)濃度の関係についてご説明したいと思います。
pH濃度とは
日本語では「水素イオン指数」と言い、pHはその液体が酸性なのか、アルカリ性なのかを表す尺度のことです。
飲食すると口の中はどうなる?
飲食すると口の中は強い酸性になります。
下の図は、砂糖水でうがいをしたときのプラーク中のpH変化をグラフ化したもの(ステファンカーブ)です。
5%の砂糖水(グラフ中 赤のライン)でうがいをして2分経過すると、pH4(酸性)まで下がっていることがわかりますね。

乳歯と永久歯の象牙質はpH5.7~6.2、永久歯のエナメル質はpH5.5~5.7で、歯の表面からリンやカルシウムが溶け出します(脱灰(だっかい))。
食後30分でお口の中は中性に
酸性に傾いたお口の中を中和する唾液のはたらき(緩衝能 (かんしょうのう))で、食後30分ほどでお口は中性に戻ります。
唾液中に溶け出したリンやカルシウムが歯の表面に戻り(再石灰化)、歯は修復されます。

飲食回数がお口の中の環境を決める
飲食回数が、1日4回と7回の場合のpHの変化を比較した図がこちらです。

食べる回数が多いと、歯が酸にさらされる(pH5.5以下)時間が長くなり、お口の中の環境が悪化します。この状態が続くと「初期の虫歯」から「穴があいてしまうくらいのひどい虫歯」になってしまいます。
これらの情報から分かるように、飲食回数を抑える(ダラダラ食べ続けない、規則正しく飲食する)ことが、むし歯予防に繋がるのです。
いかがでしたか?
普段の食事の摂り方は、体だけでなく、歯の健康にもつながるので規則正しい飲食の習慣を心がけましょう。
むし歯予防や治療について気になる方はお気軽にゲン歯科クリニック( TEL:092-471-0110 )までご連絡ください。
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